薬局内に本格的な運動器具を揃えて健康寿命延伸に貢献

「あしかが薬局」山形県山形市/高橋善三氏

健康維持や介護予防に繋がる運動の有用性を実感

元気クラブに取り揃えられている運動器具は、『立ち上がり』『持ち上げ』『膝上げ』『開け閉め』『立て屈み』など、日常生活での動作に即して筋力をつけ、膝・腰の痛みの予防に繋がる運動を促す特徴的なタイプで、もともと介護予防を目的に開発されたもののため、足腰の弱いお年寄りでも負荷を調整しながら無理なく取り組むことができます。加えて高橋氏は健康と筋力の関係や適切な運動方法に関する知識を深め、無理なく健康を保つためのメニューを整えて適切な運動指導を行っています。

「何時でも普段着で気軽に運動することができ、日常生活が楽になって健康を導く内容を目指しました。こうした運動も自宅では続かないものですが、薬局に足を運び、器具を使ってスタッフと一緒に楽しく行うことで運動を習慣づけてもらいたいと考えています」。開始から2年余りが経過し、現在は高齢層を中心に10人ほどの会員が週3~5日のペースで取り組むほか、運動不足の解消やダイエットを目的に家族で賑やかに薬局を訪れるといった広がりを見せています。

会員制度は1カ月5000円から年齢に応じて年間2~3万円、1日利用料1500円と取り組みやすいように段階が設けられていますが、「何度か体験されると年会員になられて通われるようになります」と言います。「筋肉は年齢に関係なく使えば使うほど太くなり、週に何回か運動するだけでも効果が現れます。いつも杖を手放せず、どこかに寄りかかって体重を支えていないと立てないような70代後半のおばあさんが居たのですが、元気クラブに1年通うことで杖を持たない生活になりました。健康維持や介護予防に向けた運動の有用性を実感しています」。

運動習慣が健康に大切なことは言うまでもありません。「ただ身体を動かして筋力をつけるだけでなく、代謝や活力、身体バランスの側面から生活習慣病や免疫といったことにも好影響を与えると考えられます」。さらに運動後は休憩がてらお茶を飲みながらコミュニケーションを深めるようになっており、「特に一人暮らしのお年寄りの方などは話す機会も少ないため、大変楽しんでおられます。運動は日々のストレスの発散にもなり、スタッフと談笑することで表情も明るくなって元気に帰って行かれます」と、昔から地域で親しまれる身近な薬局が運動支援に取組むことで成果が引き出されている様子です。