薬剤師とお客との出逢いを創る“太陽系薬剤師”

「田原町薬局」東京都台東区/小嶋夕希子氏

自分が「入りたい」と思う薬局づくりを

生まれ変わった田原町薬局について小嶋さんは、「自分が入りたいと思う薬局を、お客さまや仲間(スタッフ)と相談しながら作りました」と話すように、店内は小嶋さんが愛する“猫”に関する小物や本、シールなどで溢れています。なかには、スタッフ手作りのフラワーアレンジメントやハーバリウムなども販売されており、お客とのコミュニケーションのきっかけとなるような温かみのある雰囲気が特徴的です。「以前お客さまから、『スタッフの皆さんが笑顔で楽しそうに仕事をしているのを見て、(薬局の)前を通るだけで元気をもらえる』と言っていただけたこともあります」と嬉しそうに小嶋さんは話します。

5人の薬剤師、3人の事務員で運営をしている田原町薬局は、すぐ近くに眼科がある門前薬局でありながら、インバウンドが高まり続けている浅草という土地柄を活かしたツーリズム外来にも取り組んでいます。「私一人がお客さまとコミュニケーションを取れればいいという考えではなく、スタッフみんなで協力し合いながら、長年、田原町薬局へ通い続けているお客さまを大切にしつつ、新しいお客さまにもまずはこの薬局を好きになってもらいたい」という想いを抱きながら、地域の人々の生活や意識の中に“当たり前の存在”となる薬局を目指し、運営しています。

小嶋さんは田原町薬局の経営に加え、薬剤師との出逢いを生むための取組みも積極的に行っています。代表を務めるFUNmacyでは、薬局経営や開業等に関するコンサルティング・セミナー・研修・人材育成などを展開しつつ、400人の読者を抱えるメールマガジンの配信もしています。また、講師として参加している独立開局成功塾では今までに50人以上の薬剤師が入塾してその半数が開業を果たしており、なかには2薬局同時に開業した人もいたそうです。「20代が特に多くて、若手ならではの豊かな発想で開業に取組んでいます」と、薬局の未来を創り出そうとしている若手の計り知れないパワーに小嶋さんは目を輝かせています。