門前立地でかかりつけ薬局の存在感を打ち出すベテラン薬剤師!

「スズキ薬局」広島県広島市/鈴木荘司氏

地域から身近に頼られる薬局であり続けるために

鈴木氏の経営理念は『効く薬・治す薬』。「受診勧奨の話も然り、OTC薬販売にしても調剤にしても、お客や患者さんにとって薬局の対応は薬剤師の知識や経験で大きく左右されます。単に薬を売ったり渡すことそのものではなく、相談対応や適切な服用、指導を通じて“効き目”を最大限引き出すことが我々の仕事だと信じています」。

今やスズキ薬局も処方せん客が大半を占め、病院頼りの人への対応が中心となっていますが、鈴木氏は「病院で充分話せない悩みや相談を聞いてあげるところからできることは多いはず。例えば糖尿病の患者さんなどは言ってみれば治療ではなく調整が主体。薬局でも運動や食事療法を提案することは医師からも嫌がられることではないし、そうした方面で積極的な働きかけを続ければ新しい局面が開ける手応えはありますよ」と、日頃の実感を通じて説明します。

「そうしたことから常に調剤だけではなく相談販売を行っていることを如何に印象づけるかを考えています」。今年に入って店内に煎じ薬の百味箪笥を設置し、生薬を並べることで患者さんへのアピールを強化するなど、2014年9月で70歳を迎える鈴木氏の経営意欲は衰えを知りません。「知人からは『未だに調剤しているのか』などと、まるで不思議な人みたいな扱いを受けますが(笑)。うちのスタッフも難しいお客があれば私を頼りますし、引き続き薬剤師として総合的な力が発揮できるように指導していきたいですね」。そう語る鈴木氏は今日もベテランの背中を薬局で見せ続けています。

(取材実施:2014年6月)

編集:薬局新聞社