老舗の歴史を通じた地域密着経営

「アツミ薬局」静岡県浜松市/渥美洋平氏

将来も変わらない薬局業務に対する意欲と自信

「薬剤師も専門家である前にサラリーマン的な感覚の人が増えてきた気がします。その点、幼い頃から地域で頼りにされる祖父や父の背中を見て育った私は恵まれていると思いますし、だからこそ老舗の責任も感じています」。そう語る洋平氏は月に4~5回、経営やスキルアップの研修会を受講するほか、地域や商店街の町興しイベントなどにも積極的に参画。数年前からは地元・浜松の専門店店主が講座を企画し、専門知識やプロのコツを地域住民に無料でレクチャーする“まちゼミ”に取組んでいます。「私が老舗の薬局を引き継ぐことで地元の活性化に貢献したい。どうせならお客さま・患者さんはもちろん、町も元気にすることが4代目としての経営理念です」と、洋平氏は老舗の歴史を通じた地域密着経営に力を入れています。

また、近年は薬剤師会で在宅介護委員会のメンバーとしても地域の啓発イベントに働きかけるほか、薬剤師向け講習会なども手がけており、当然ながら今後は在宅医療も視野に取組みを広げる構えです。「10年後も20年後も、変わらずに今の仕事を続けるのが私の目標。端的に言って少子高齢化に応じてお客さま・患者さんの数自体が減り、売上が落ちたとしてもアツミ薬局の役目は決して変わることがないと考えています」。

(取材実施:2014年3月)

編集:薬局新聞社