日本最北の中核都市に根ざして40年
在宅医療のエキスパートが巻き起こす新しい風

「中央薬局」北海道旭川市/長塚健太氏

 北海道のほぼ中央に位置する旭川市は、約34万人の人口を擁する日本最北の中核都市です。市の東方には大雪山国立公園が広がり、自然に近い環境で動物の本来の行動を観察できる「行動展示」で有名な旭山動物園には多くの観光客が訪れます。

 今回紹介する中央薬局は、昭和55年に旭川市内で開局し今年40年目を迎えます。2代目社長の堀籠淳之さんは在宅医療のエキスパートとして地域に根ざした活動を続けながら、様々な新しい取組みを実現されています。

 お話を伺った同薬局の勤務薬剤師、長塚健太さんは、「潜在する健康ニーズを見出し、対応していくことが今後の薬局業務の要」という考えのもと、一次予防にあたる健康サポートを意欲的に実施しています。地域に対する様々な活動は、中央薬局が旭川市に巻き起こす新しい風の1つとなっています。

「医療機関にかかる前からのかかりつけ」を目指す

 長塚さんの勤務する店舗「旭川中央薬局」は市立旭川病院の近郊にあります。日常業務の中、長塚さんは、処方箋をお持ちになる初回来局者にかかりつけ薬剤師として接する違和感を覚えるときがあると話します。

 「目の前にいらっしゃるその方が病気になる前に、薬局ができることがあったのにという感覚です。医療機関にかからなければいけなくなる前に隠れた健康ニーズを見出して、健康維持をサポートする一次予防は、薬局薬剤師の大切な務めだと思います」