地域に、人に、全力疾走で健康支援に取り組む姿が、国籍を超えた支持を集める

「ゆうせい薬局」大阪府大阪市/小西明氏

大阪市西淀川区出来島エリアは、阪神工業地帯の一角として古くから工業の町として発展を遂げてきました。現在も中小工場が軒を並べる姿は、まさに“モノづくり日本”を象徴するような町並みとなっています。今回訪れた『ゆうせい薬局』は、地域住民の医療と健康を第一に考える職人気質を感じさせる薬局です。

ゆうせい薬局は昭和29年に創業。一般用医薬品から日用品、生活雑貨まで幅広く取り扱う地域の医薬品供給拠点としての役割を果たしてきました。今でこそ、ひらがなを用いた薬局名は一般的となっていますが、開設当時はまだまだ珍しく、地域住民の方からは「覚えやすい」と大好評だったそうです。また薬局としてのイメージカラーやロゴマークを作成して、薬局のブランディングともいえる総合的なプロデュースにも着手するなど、意欲的な経営に取り組んできたと代表取締役社長の小西明さんは語ります。このような企画の発案者は、初代経営者であった小西さんの両親でした。「両親は店の外観から、店舗内の製品陳列、店舗内外から見た全体的な雰囲気などについて、毎日のように考えていたことを記憶しております。気になる部分があればすぐに見直していましたし、改装のタイミングには大胆なレイアウト変更も繰り返していました」と語ります。

このように絶え間なく店づくりを研究する精神は、2代目となる小西さんにも薬局のアイデンティティーとして受け継がれています。そのモットーといえるのが、「最高のサービスを常に提供することです。出し惜しみはせず、“全力疾走”で取り組む姿勢ですね」と小西さんは強調します。この全力疾走の言葉の背景について「このような姿勢を維持していないと、仮にチェーン店が近くに進出してきた際、すぐにお客様は来なくなってしまうと思っているからです。そのような状況にならないように、最高のプレゼンテーションを地域に提供することが一番大切なことであると考えています」と話します。

全力疾走のみならず、先代から受け継いだ店舗の運営精神は、「裏切らない」、「親切・優しく」、「価格もできるだけ安く」など多岐にわたります。こうした考えは『患者のための薬局ビジョン』や『健康サポート薬局』といった、今まさに国から提示されている、これからの薬局のあるべき姿として掲げられた姿と共通する部分が多いのは決して偶然ではないでしょう。