20年前からアロマ・ハーブを導入して身近な健康観の提案に取組む

「西尾薬局 フローラメディカ」富山県富山市/西尾公秀・茂美氏

 西尾薬局は平成27年に創業60周年を迎えた北陸の老舗薬局。医薬分業に応じて現在までに富山市内で5店舗を構え、保険調剤を主体に地域医療を担う一方で、近年は『新しい健康観の提供』を経営理念にアロマ・ハーブの取扱いをポイントとして日頃の健康維持、生活提案にも力を入れる姿勢が特長となっています。

 富山大学を臨む五福地区にある本店は、木や石材を多用した欧風の店構えや店作りからして一般的な薬局とは趣が異なり、50坪ほどの店内は入り口正面の調剤室、カウンターを境に右側半分以上のスペースを割いてアロマ精油やハーブティー、スキンケアらを豊富に取り揃えています。これら主要なものについては化粧品製造業を取得し、薬局こだわりのオリジナル商品を展開するほどの本格的な取組みです。

 「私は大学卒業後に漢方薬局で経験を積み、家業に入ってから漢方を軸とした健康相談を進めていたのですが、もっと身近な生活に寄り添った健康観に働きかけたいと妻と話し合ったことが出発点です」と語るのは二代目店主の西尾公秀氏。同じく薬剤師として現場を支える奥さんの茂美さんは、「ちょっとした体の変調や悩みも相談できる薬局を作りたいと思い、女性視点で漢方より手軽に生活で提案できるものはないかと探していたところ、ちょうど日本に入り始めていたアロマに着目しました」と説明します。

 フローラメディカの屋号を最初に支店で手がけた平成6年当時、薬局の新たな取組み以前に“富山初のアロマショップ”として注目された経緯に先見性が窺えるところ。今では良く知られているように、アロマテラピーは古くからヨーロッパで医療に活用されており、この延長線上でメディカルハーブなどにも手を広げながら独自に薬局での提案ノウハウを積み重ね、平成16年の支店統合を経て今日の本店の店作りに至っています。

 「まだアロマという言葉すら知られていなかった」という状況から、担当の茂美さんは知識の習得と並行して市民向けのアロマ教室を開くなど普及にも積極的で、これまで日本アロマ環境協会インストラクター、日本メディカルハーブ協会ハーバルセラピストの立場で専門誌や生活情報誌に幾度となく登場。8年前(2008年)からは地元ラジオ番組で毎週アロマコーナーも担当と、この分野の専門家として地域で広く知られる存在感にあることも取組みの信頼性を高めています。