Vol.1

多職種連携から地域包括ケアシステムへ。
ICTをフル活用した在宅医療からの挑戦
医療法人ナカノ会理事長
中野一司先生
長年、365日24時間体制の在宅医療を提供し、
多職種連携、地域医療連携システムの構築に尽力されてきた
医療法人ナカノ会理事長 中野一司先生にお聞きしました。
中野一司先生
医療法人ナカノ会の軌跡
地域医療連携の実際と成功のポイント
ナカノ在宅医療クリニックは、1999年鹿児島市北部地区に開設された。その翌年の2000年に介護保険制度が施行され、多職種連携の理念が導入された。多職種連携の必要性は言うまでもなかったが、医療現場における実践、普及には程遠い段階にあった。その中で同クリニックでは、当初から多職種連携に取り組み、地域連携ネットワークづくりへと発展させていった。2003年に医療法人ナカノ会ナカノ在宅医療クリニックとなり、2006年の診療報酬改定で在宅療養支援診療所の制度が創設されるとともに、同クリニックも在宅療養支援診療所となる。2012年、厚生労働省の在宅医療連携拠点事業に採択され、事業所名をナカノ在宅医療連携拠点センターと命名、鹿児島市内での地域包括ケアシステムの構築を目指し、その役割を果たしてきた。一方でケアタウン・ナカノ構想を掲げ、広く鹿児島市地域に向けて、サービス付き高齢者向け住宅(20室)+看護小規模多機能サービス(泊4室)、定期巡回・随時対応型訪問介護看護サービス、デイサービス、看護小規模多機能サービス等を提供している。
在宅医療に始まり、地域連携ネットワークづくりと組織の発展を実現できた、
その成功の鍵は何でしょうか。
成功の鍵は開業理念である「抱え込まないこと」の実践にあります。組織を作る時、「抱え込まない」より「抱え込む」方が、はるかに楽ですが、医療・介護の質からみると、抱え込まず、外からの刺激を受けて互いに切磋琢磨できるチームの方がより良質な医療を提供できます。だから私は、最初から多職種連携をイメージし、それを実践してきました。

ドラッガーがいうように、事業の目的は社会貢献です。今の診療報酬も介護報酬も質の高い医療・介護を実践すれば、収益が上がる仕組みになっており、事業の継続が可能です。
現在の体制と実績、また連携の現状についてお伺いします。
スタッフカンファレンス風景

スタッフカンファレンス風景

ナカノ会には医師4名の他、訪問看護師、ケアマネジャー、ソーシャルワーカー、介護士、管理栄養士、調理師、理学療法士、事務などが在籍しています。在宅診療の圏内は大体半径16キロ内、2018年5月時点で軒数は210、看取り数は年間約50例です。患者さんの約半数に対して、他法人の訪問看護ステーションが関わり、さらに薬剤師、歯科医師など在宅医療・介護に携わる多くの他事業所の人たちと連携してチーム医療を展開しています。このようにナカノ会では、他かかりつけ医、他介護事業所の参入を可能としていますが、ケアタウン・ナカノ内の介護サービスは結果的に法人内のサービスになっています(ケアマネジャーは他事業所も参入)。また病診連携では、数多くの急性期病院とつながっており、専門的な治療が必要なとき、また患者さんが望めば随時、入院していただくことが可能です。

情報共有は、ICTのフル活用と頻回に行われるカンファレンスにより実現しています。スタッフカンファレンスは毎日朝8時半から9時まで、薬剤師を交えた服薬指導カンファレンスは4週間に一度、医科、歯科合同カンファレンスは2ヶ月に一度行い、さらにほぼ全ての患者さんに対して、病院で行われる退院時カンファレンスに参加しています。

スタッフカンファレンス風景

スタッフカンファレンス風景

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